「フレイルを先送りし、健康余命を延伸するコミュニティ」の創造 埼玉県鳩山町での取り組み

 

都市近郊に位置し、団塊世代が多く住む埼玉県鳩山町では、今後、爆発的に後期高齢者が増える事が予想されており、対策が急がれています。退職サラリーマンが多く住む鳩山町は、隣近所のつながりがやや希薄ですが、体操教室など特定の目的を持った機能的コミュニティには、非常に多くの住民が集まるという特性があります。
そこで、機能的コミュニティを活用してフレイルの予防に取り組みました。

 

■1次予防

多様な機能的コミュニティを創出するために、これまで町内で取り組みがなかった、「食」をキーワードとした社会参加の場づくりを行いました。その推進母体として、官民学が一体となった「食」コミュニティ会議を立ち上げ、身近に集まれる場を創っています。活動を通して主旨に賛同するメンバーが増え、非常に活気のある組織に成長しています。

■2次予防

町内4ヵ所で運動教室を運営している住民ボランティアと一緒に、運動教室の参加者が体力測定を定期的に、無料で受けられる環境を整えています。

■3次予防

既存の介護予防教室に、フレイルの予防に必要なエッセンスを盛込みました。専門家が提供するプログラム終了後、自分に合った地域の機能的コミュニティへつながるよう、住民ボランティアと協働して運営しています。

■都市近郊地域モデル

鳩山町では、機能的コミュニティごとにフレイルを予防する仕組みを整えることで、共通の目的を持った仲間と結束してフレイルの予防に取組むことができています。特に都市近郊では、身体は元気なのに近隣関係が希薄なため閉じこもる“社会的フレイル”が多いという特性があります。そこで、現在3次予防として開設している教室を将来的には地域デビューの一歩を後押しする、『退職したら誰もが通るセカンドライフの登竜門』として地域に根付かせたいと考えています。
このように、都市部近郊では、機能的なつながりを活かした取組み(都市近郊地域モデル)が有効であると考えます。