「フレイルを先送りし、健康余命を延伸するコミュニティ」の創造 兵庫県養父市での取り組み

 

四方を山に囲まれた養父市は、後期高齢化率(約20%)と高齢化が特に進んだ地域です。地縁的なつながりが強く、普段から支え合いの雰囲気がある一方、面積が広く、市役所まで車で片道1時間の地域もあります。
そこで、地縁的コミュニティを基盤に小学校区単位でフレイルの予防に取組みました。

 

■1次予防

地縁的コミュニティの中に、高齢者が日常的に集えるような環境を整えるために、住民と行政が地域の課題を主体的に語り合うコミュニティ会議を立ち上げました。

■2次予防

住民の自治組織や市のスポーツセンター、行政と協働して、子どもから高齢者までが参加する多世代交流型の体力測定会を、小学校区単位で開催しています。

■3次予防

誰もが歩いて通えるような虚弱予防の教室を行政区ごとに実施しています。担い手の問題を解決するために、「市からの委託を受けてシルバー人材センターの会員が各地へ出張する」という全国でも類のない仕組みを考えました。現在では、研修を積んだ会員が各地で教室を運営しています。

■中山間地域モデル

 養父市では、地域ごとのつながりを基盤にフレイルを予防する仕組みを整えることで、なじみの顔ぶれがそろった安心できる環境でフレイルの予防に取組むことができています。今後は、モデル地区で実施しているこの仕組みを、各地に整える予定です。
このように、面積が広く地縁的つながりが保たれている中山間地域では、小学校区単位で地縁的つながりを活かした取組み(中山間地域モデル)が有効であると考えます。